NEEWER TT560(他マニュアルフラッシュ)使いこなしメモ
投稿者: 無謀庵 / 2016年2月20日 - 11:33 / カテゴリー: カメラ
マニュアルのフラッシュって、理屈を知った上で計算しないと取り扱えない。
AmazonでうっかりTT560とかのやっすいフラッシュを見かけ、つい買ってみたものの、真っ白になったり真っ暗になったりで上手く使えない人もいるかと思うので、ちょっとした使い方ガイドを。
カメラの露出モードをMに
フラッシュ撮影では、露出の決め方が通常の撮影とはまったく変わってしまう。
オート露出にしてしまうと、フラッシュでの露出とまったく関係ない基準でカメラの設定を動かされてしまい、まともに撮影できない。
ISO感度も固定にすること。(MなのにISOオートに出来るカメラもある)
フラッシュの露出決定要素
フラッシュ撮影の露出に影響するのは、以下の4点。
- フラッシュの光量(GN)
- レンズの絞りF値
- ISO感度
- フラッシュから被写体の距離(単位m)
通常撮影の露出では関係ない距離が、フラッシュ撮影では露出を決める要素のひとつになる。「フラッシュから被写体の距離」と書いてるけど、もちろんカメラのホットシューにフラッシュを載せているなら、撮影距離と同じでよい。
一方、シャッタースピードは露出に関係しない。が、どんな設定にしてもいいわけではない。
シャッターが開いている間にフラッシュが光らなければいけないので、あまりシャッター速度を速くしすぎるとタイミングがあわなくなる。これは、スペックシートに「シンクロ速度」「ストロボ同調速度」といった記載があるので、その速度にセットするのがベター。
シンクロ速度が不明な場合は、まあ今時のデジカメなら1/125秒くらいならまず大丈夫。古いフィルムカメラだと、シャッタースピードのダイヤルにXというところがあったりするが、あるならそこにセットする。
適正露出の計算式
以下の等式が成り立つときに適正露出となる。
距離(m) = (GN / F値) × √(ISO感度÷100)
GN38のフラッシュを最大光量で、F4のレンズを絞り開放にし、ISO100で撮影すると、9.5mで適正露出。これより近いと露出オーバーに、遠いと露出アンダーになる。
- 距離が2倍になったら
- GNを2倍にする(光量を4倍にする)
- F値を半分にする(絞りを2段開く)
- ISO感度を4倍にする(2段増感する)
というような関係になる。
光量とガイドナンバー
TT560のマニュアルでは、光量調節は「1目盛り下げると1/2の光量」とある。光量が2倍になるとガイドナンバーは√2倍になる。よって8段階調節は、
GN3.4 – 4.8 – 6.7 – 9.5 – 13.4 – 19.0 – 26.9 – 38.0
というガイドナンバーになる。
距離の測り方
オートフォーカスでピント合わせて、レンズの距離目盛りを見る。
距離目盛りがない? じゃあ目測。自分の手をまっすぐ伸ばして何センチくらいか、とかを測っておけば目安になるんじゃないかな。
遠距離になるほどシビアではなくなるので、細かく気にするなら近距離。3mくらいの巻き尺持っておけばいいと思う。
簡単計算法
まあ、ちょっと暗算するには厳しい数式ではあるけれど。
ISOを100に固定すると、ガイドナンバーをF値で割るだけで適正距離が出る。
自分のストロボが、どの設定でガイドナンバーいくつなのかを把握してさえおけば、一度割り算するだけ。二桁の割り算が難しい? ならF2.0かF4.0かF8.0でどうぞ。
早見表のススメ
昔のマニュアルフラッシュには、いちいち計算しなくても見ればわかる早見表がついていた。ダイヤル回せば値がわかる機械式の計算表示板みたいなのとか、結構カッコいいのだけど。
TT560もマニュアルフラッシュには違いないんだから付いているべきなんだけど、まあ、機械式の露出表なんてコストは今時掛けられないんだろう。安物だし。
まあ、作ったんで置いときますね。あ、枠線切れてブサイク。
ISO感度を変えたら、感度の値が2倍になるごとに一列左の数字を読めばOK。GN38・F4.0でISO200なら13m。
バウンス・多灯の場合
バウンスは反射させる壁・天井までの距離や色によるので計算不能。
多灯はちょっと計算してられないので、おおまかにやって撮り直しつつ調整ってことで。どうせデジタルだ。