バジルは引っ越しました

1万円のThinkPad L412にUbuntu入れて遊ぶ

投稿者: 無謀庵 / 2016年8月27日 - 19:41 / カテゴリー: PC

中古ノートPCを買ってきた。ThinkPadのL412。

少しくらいLinuxを扱えるように慣れておきたいな、と以前から思っていたので、何か入れる端末が欲しかった。

そういうわけで、以下いじくりメモ。

ThinkPad L412のスペック

  • CPU: Core i3-380M (2.53GHz / Socket G1)
  • メモリー: 4GB (2GBx2)
  • HDD: Seagate ST9250315AS (250GB)
  • チップセット: Intel HM55
  • GPU: CPU内蔵 Intel HD Graphics Gen.5
  • LCD: 1366×768 14型 ノングレア

慣れないLinuxを使うというのに変なPCだと苦労が増えそうだけど、ThinkPadのL3桁シリーズはスタンダードなモデルだから、特に癖はなさそうに見えた。スペックは当時としては極めて当たり前、独自機能らしいものもトラックポイントくらい。

2010年か11年の製品だから、5年くらい落ちている。OSもなしで、税込み11000円程度。

CPU

私自身も友人も、誰もNehalemアーキテクチャのCore iシリーズを使ったことがある者がいなかった。えてして初物世代は回避されがちで不人気になるものだけど、それにしてもWillametteのPentium 4ほどではなかろうに。

Nehalem世代のモバイル用Arrandaleコアは、CPUとGPUが別ダイでパッケージングされていて、発熱・消費電力もちょっと下がりにくかったとか。それもあって、Core iシリーズが本格的に受け入れられるのは次のSandy Bridgeからかな、とは思わなくもないが。

そんなわけで、使ったことがないことだけを積極的理由に、わざわざNehalemを選んで買った。今となっては売価はSandy Bridgeでも大差ない感じではあったけれど。

今回の私の用途だとCeleronでもPentiumでもよかったんだけど、ArrandaleのCeleron P4x00やPentium P6x00は売ってるのをほとんど見なかったし、あっても案外安くない。安いのを選んだらCore i3だった。

2C4T / 2.53GHz (TurboBoostなし) / 3MB L3。グラフィックはIntel HD Graphics Gen.5で、最大600MHz。

Socket G1 Arrandaleのアップグレード

で、ThinkPadはわざわざ分解マニュアルを公開してくれていて、どうせ中古なら保証も関係無いから、勝手にアップグレードする楽しみもある。

L412の場合、CPUのアップグレードパスはどうか。

Arrandaleだと、Core i7/i5/i3の差はさほどないように見える。全部2コア。Pentium / Celeronも、Hyper Threadingが無効なだけで、シングルコアになったりはしない。

下から見て、CeleronはL3が2MB。PentiumはL3が3MB。Core i3はHyper Threadingが有効。Core i5はTurbo Boostが有効。Core i7はL3が4MBで、AESとかVT-dとかも有効。

クロックは、ほとんど重ならずに格上が高い。GPUクロックも多少差があって、i3は最大600MHz、i5以上は766MHzらしい。

で、今の2.53GHzのCore i3-380Mから交換するとなると、最上位のCore i7-640Mでも、定格2.80GHzのTurbo Boost時3.46GHz。うーん微妙。VT-dとか使わんし。

Core i7には8xxQMや7xxQMといった4コアモデルがあるのだけど、これは同じSocket G1を使うものの、GPUを内蔵していない。よって手元のThinkPad L412に挿しても表示機能がなくなって使えない。

また、低消費電力モデルはマザーボード直付のBGAになり、Socket版はどれもTDP 35W。そっち方向にも道はない。

Celeron P4500からCore i5-520Mとかi3-380Mに変える、というくらいなら2000円で済みそうだからいいけど、i3-380Mから上となるとi7にいかなきゃ速くなった実感なさそうで、i7だと1万円はする。

まあ、残念ながらCPUをわざわざ交換しても、メリットがなさそう。

私のところでCPUパワーが気になる処理というとdistributed.netくらいだけど、これはL2/L3キャッシュ容量など全然影響せず、同じアーキテクチャだとクロック・コア数・Hyper Threadingの有無でしか変わらない。ますますCore i3で十分。

メモリー

規格はPC3-8500 (DDR3-1066)のデュアルチャネル。モジュールはSo-DIMM。2スロット。

買った時点で2GB×2の4GBにされていたから、十分といえば十分。DDR3のSo-DIMMなんて4GBでも2000円くらいみたいだから、8GBぶっこんでしまってもいいけれど。

Nehalemで4GBのSo-DIMMを使うなら、両面実装で8チップのやつでないとNGだとか。最近のものは片面4枚のモジュールが多いらしいから、ここは気をつけておく。

HDD / SSD

今のHDDは250GBで、まあ寝床PCなら困るほどではないけれど、いつ死ぬものやら。SeagateのMomentus 5400.6 ST9250325ASだった。

ちょっと古いので、SATAは3Gb/s。今時のSSDだと負ける。

友人にたかったところ、ADATA Premier Pro SP600の64GBを譲ってくれたので換装。UbuntuだとOS自体のフットプリントは小さいので、64GBでもさしあたりは困らないだろう。

光学ドライブ

どこかの企業で特にそう注文したようで、DVD-ROMドライブが入っている。民生用に売られたものなら、DVD-Rくらいは書き込めるものを入れていたと思うのだけど。

Optiarc DDU7700H、ほんとにOEMにしか出してないみたいで情報が少ないが、DVD x8、CD x24の読み込み速度らしい。

別に使いやしないのだが、このまま放置するか、外して別のものをいれるか。BD-Rドライブでも入れてみるか、変換アダプター噛ませてSSDでも入れてみるか。

その他の拡張

せっかくだから、拡張スロットは(さしたる意味がなくても)埋めてみたいという気持ちはある。

SDカードスロットは、完全に入るタイプなので使いやすい。簡易なストレージ増設はここか。

eSATAコネクターなんてものもあり、+USB、なんて書いてある。どっちも挿さる兼用コネクターらしい。しかしeSATA自体がもう負けが見えてしまったから、どう使ったものか。

ほか、ExpressCard/34のスロットもある。これまた負けが決まったような規格で、私自身初めてついてるものを手にしたが、何に使うか。USB 3.0を増設するのがまあマシな選択か? 世にはExpressCardのSSDがあるとも聞くが、もう買えそうにない。Ubuntuで使えるかもわからない。

Ubuntu 16.04 LTSインストール

母艦PCでインストーラーUSBメモリーを作って、インストーラーを走らせた。

特につまる所はなかった。初めてFreeBSD(98)を触った時はインストールから何度も失敗したのにな……

インストール中にキーボードレイアウトを選ぶところがあり、日本語を選んでもなぜか特殊記号のアサインがずれていて、英語キーボードと誤認されているのとも違う不思議な誤入力が起きていたが、これはインストールが終わると正常になった。

WiFi関係

WiFiまわりには多少トラブルがあった。

突然切断される、スリープから復帰するとつながらないなど不安定さが目立つ。ルーターを見つけているけど認証できない、認証しているけど通信しない、ルーター自体を見つけられないなど症状も不定。

悩んだが、AmazonでCentrino Advanced-N 6200のモジュールを売っているのを見かけた。

1800円なら間違ってもいいか、と思って注文。

Mini-PCI Expressスロットに挿す。L412ではパームレスト下にあるので、サポートの分解手順にしたがって開く。アンテナ線を外し、古いモジュールを外し、新しいモジュールをつけてアンテナ線をつなぎ、パームレストなどを戻していく。メンテナンス性がよくて助かる。

交換した結果、実に安定して通信するようになったので、やはりもともとついていたモジュールが不調だったようだ。

なお、Centrinoは世代の違うものを混ぜても動かないらしいので、おそらくこのArrandale / HM55 / N6200という組み合わせ以外はダメ。

日本語入力・キーボードなど

私はWindowsでは、「入力中文字列がないときは変換キーでIME On/Off、あるときは変換」と割り当ててあるのだけど、UbuntuにMozcだと、入力中かそうでないかの区別がない。よって、変換キーにIME On/Offを割り当てると、変換しようとするとIMEがオフになる。

仕方なく、半角全角キーにIME On/Offをアサインした。

まあThinkPadというだけあって、L412クラスでもキーボードの質はまずまず。これくらいなら特に文句はいわない。

ただ、Delキーがキーボード右上端にないのはちょっと納得いかない。右上にIns / Del / Home / Endと並んでいる。Home / End / Ins / Delならよかったのにな。Page Up / Dnがカーソルキーにくっついてるのもちょっと好きでない。

トラックポイントは、やっぱり良い。

よく使うアプリ

aptコマンドって便利なものだなあ、と思いながら、あれこれ入れている。

アプリケーションセンターは、やりたいことに対してどういうアプリがあるかわからない時に便利。

ブラウザはchromium。Googleアカウントとの連携まで含めて、Windowsで慣れたchromeと変わらない感じ。ただchromeと違って、閉じて立ち上げると最新版になっているようなアクティブな更新はしないらしいが、どうするんだろう。アプリケーションセンターから更新されるんだろうか。

Twitterは、いくつか試してCorebirdになった。私の希望するクライアントは、ブラウザ版とほぼ同等で、アカウントの切り替えだけすぐにできればよいのだけど、アプリケーションセンターで見つけた中ではCorebirdが一番希望に近かった。

クラウドは、OneDriveを使った。以前書いた記事参照。

IRCクライアントは、結構迷ってLoquiというのにした。他のものは、日本語サーバーじゃまともに使えないものやら、インターフェースがまったく理解できないやら、いくつかハズレを踏んだ末、Windows育ちの私にとって常識的に思えるインターフェースで日本語が使えるのがLoquiだった。

問題はテキストエディタで、Ubuntu使うならVimなりEmacsなり使えるべきではないかと思いつつも、さしあたりシンプルに何も考えずに使えるLeafpadを使っている。Vimなら使えるかもしれないからしばらく試してみる。

distributed.netクライアントは、公式サイトからLinuxのAMD64/ELFをダウンロード、dnetcファイルのあるフォルダで端末を開き、sudo cp dnetc /usr/bin/ とした。あとは端末でdnetcで実行。


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