激安小型フラッシュ YinYan CY-20レポート
投稿者: 無謀庵 / 2016年5月8日 - 12:52 / カテゴリー: カメラ
こういう中華激安マニュアルフラッシュを買ってみた。
先日から使っているTT560は、値段の割に大活躍してはいるんだけど、いかんせんPENTAX K-01のホットシューに載せてさえすごく巨大に感じられる代物。
サブカメラも、PENTAX Q-10からQ-S1に買い換えたのだけど、まあこの小さなカメラにTT560は巨大過ぎる。重量バランスもめちゃくちゃ。
そこで、小さいのを探してみたらあったので購入した。
CY-20の選定理由
まず大きさは先述の通りなのだけど、ただ小さいだけなら内蔵フラッシュでいいわけだ。
Q-S1と組み合わせてのサイズ感はこんなもんで、もうちょい小さくてもいいけど、まあ許容範囲。レンズと発光部が離れるのも好ましいし。
このデザインだと、CAMEDIA C-5050ZとかCOOLPIX 5200みたいな時代のモノにはよくマッチしたと思うが、最近のカメラにはちょっと時代がずれた感じがあるかな……
で、内蔵フラッシュより優越する点として、発光部が真上に向く。天井バウンスができるのだ。
まあ小型ゆえにGN20しかないので、天井が高かったりすると力不足になりがちだけど、部屋での撮影には便利だ。
GN20といったって、今日日のカメラはISO感度をかなり上げられるから、ISO1600・絞りF4で20m飛ぶ計算。上等。
CY-20の基礎情報
中国語マニュアルしかついてないので、簡単に日本語でスペックを書くと、
- ガイドナンバー: GN20 (固定光量)
- 色温度: 5600K
- 有効照射角: 水平60°・垂直40°
計算では、フルサイズで33mm、APS-Cで23mm、フォーサーズで18mm、1/1.7型で8mmの画角が収まる。上下が狭いので、アスペクト比が4:3のカメラだと不足しがち。
といってもまあ、実際照らすと、もっと広角で使ってもさほど気になるほど周辺が暗くなるわけでもなかった。 - 電源: 単三電池2本
- サイクルタイム: 7秒
- 発光持続時間: 1/1000秒
- 外寸: 65 x 60 x 98 mm
- 重量: 100g
また、照射方向の変更は、上方45・60・75・90度にノッチがあって固定できる。上以外の方向には向かない。
背面はこんなの。
操作は極めてシンプルで、ON/OFFスイッチと、テスト発光ボタンしか触るところがない。ホットシューに載せてシャッターを切るか、テストボタンを押せば光る。それだけ。
露出早見表がプリントされているのは嬉しいところ。
個体差かもしれないが、READYランプは蛍光灯の下でさえあまりわからないくらい弱い。ちょっと役に立たなさそう。
スイッチ下にシンクロ端子があるのだけど、これはX接点にも見えないし、TT560についてたミニプラグ端子でもないし、どんなケーブル使うんだろう?
前面に、なにかスレーブ発光トリガーの受光部みたいなパーツがあるのだが、CY-20に関しては単なる飾り。ただ、バリエーションでもう少し多機能な機種があるらしいので、そういうのでは使われるのかも。
使い方
ホットシューに載せてシャッターを切れば光る。PENTAX Q系だと、TOY LENSではホットシューが効かないので注意。
オート露出は使えないので、Mモードに。ISOオートも不可。シャッタースピードは、シンクロ同調速度より長くする。Q-S1だと1/250秒。シャッタースピードを変えても、ストロボの露光量は変わらない。
で、CY-20は常にGN20で光る固定光量。露出の調整は、絞り・ISO感度・距離の3要素で決まる。
それで再度この表なのだけど、横軸が距離、縦軸が絞り。
そこに、左端からISO感度の線が斜めに出ている。この3つが交差したところが適正露出。
ISO100で距離が5mなら、F4が適正露出。
だいぶ前のフィルムみたいな感度しかない露出表だけれども、ISO800・1600・3200……とどんどん1目盛りずつ右に線が増えると思えばよし。
もちろんこれは直射するための表で、天井バウンスするなら使えない。まあ、どうせデジタルだから、カンでやって絞りや感度を変えながら適当なところまで撮り直すだけ。
近距離直射では使いにくい
1.8mより近いところはどうすんだ、という話だけど、GN20固定だとそもそもあまり近距離では使えない。
一応、1.8mより左側にあるべき目盛りは、1.25mと0.9m (2つ上の距離の半分)。最低感度はISO100が多いだろうし、最小絞りも一眼レフなどでF22として、それが0.9mの適正露出。
まあ、そんな至近距離の撮影だったら、これ使うより内蔵フラッシュのTTLオートの方が安定するだろう。フラッシュは近距離ほど調整がシビア。
部屋の中などの近距離なら直射せず、天井バウンスさせてしまうのが、光量の調整もしやすいし、フラッシュ丸出しの仕上がりにもなりにくい。
天井バウンスで実写
- カメラ: PENTAX Q-S1
- レンズ: 01 STANDARD PRIME
- 撮影状況:
一般的な高さの天井(2.5m程度・白)
床に被写体(PENTAX Q10)を置く
床に座ってカメラ手持ち
ストロボはホットシューに装着
ストロボ=カメラから被写体までの距離は1m程度
照射角は90度上方で天井バウンス
部屋の照明(30/40型蛍光灯のシーリングライト)あり - F1.9 / 1/250秒 / ISO 100
つまり、一般的な室内で天井バウンスするなら、これに近い露出になると思う。ストロボ直射とは違う、光の回った写りになっている。
この例のように、床近くのカメラから床に置いた被写体、だと、ストロボの光は2m上の天井まで飛んで、反射してから2.5m下の被写体に届くことになって、やや不足気味になりがち。
撮影者が椅子に座っていたり立っていたり、また被写体が座ったり立ったりした人間だと、天井に近くなるからストロボの飛ぶ距離は短くなる。
その辺を踏まえると、多分ISO200・F4くらいを中心に、結果を見ながら適当にずらしていくのがいいんじゃないかな。
GN20、室内天井バウンスならなかなか使いやすそうな光量。このくらいの無難な上がり、手ブレ気にせずISO100で撮れるのは嬉しい。感度上げりゃいい、といったって、最近のは感度良いといったって限度があるし。
まとめ
マニュアルフラッシュの取り扱いがわかるなら、値段は激安、ほどほどのサイズ、天井バウンス可能な首振りと光量で、必要最低限はきっちり押さえている感じ。
コンパクトカメラと組み合わせ、近距離直射は内蔵ストロボ、天井バウンスと内蔵では届かない遠距離はCY-20と適切に使い分ければ活躍できる。
READYランプが見えないとか、電池ボックスがチャチだとか、激安なりのところはあるけども、少なくとも機能的には必要十分なラインを押さえている。