荒幡富士徘徊記 (PENTAX Q-S1)
投稿者: 無謀庵 / 2016年5月16日 - 22:53 / カテゴリー: 徘徊記
久しぶりの徘徊記。
東京に来てからいささかタイミングとか行き先を見失ってしまっていたけれど、とりあえず週イチペースで歩きまわらんと運動不足だな、ということで、今後またやる。
先日Qマウントのボディを、Q10からQ-S1に買い換えたので、喜んで使いに行く意味もある。
今回はもっぱら01 STANDARD PRIMEで撮ってきた。Q10だと47mm相当で大昔の標準レンズみたいだったが、Q-S1では39mmと、一昔前の3倍ズームコンデジの広角端くらいにはなるから扱いやすい。
西武新宿線に乗って東村山まできて、西武園線で西武園へ。
駅の出発メロディがご当地ソングだったりするのはよくあることだけど、東村山で東村山音頭が使われてたりはしなくて寂しかった。やるなら一丁目でやろうぜ。
さて、西武園ゆうえんちにも競輪にもいくわけでもなく、降りて北東の方へ、鳩峰公園というところへと向かっていく。
わりとすぐ、こんな土の遊歩道がある。
ここらは狭山丘陵といって小高い丘が並んでいるようなところなのだけど、となりのトトロのモデルになった場所らしく、所々が「トトロの森」としてナショナルトラスト運動で保全されている。
まあ、雑木林があるだけではあるが、歩きやすい森林浴スポットだ。
ただ、それっぽい案内板らしいのを見ながら歩いていったら、特に何もない場所から森の外に出されちゃったりとかして、鳩峯公園エリア以外にもこういう場所があるらしいのにどっち行けばいいかよくわからず。駅ででもルートマップでも見つけられればよかったのだけど……
なんか廃屋があるぞ……と思ったら、崩れたお社とこぼれた絵馬。大丈夫かなこれ……
こちらは久米水天宮という神社。
水天宮って、関西にはわりと少ない気がするけど、関東に来たらよく見かけるような。福岡が総本宮で福岡にも多いらしいけど、関西飛ばして東に多くなったのはなんでだろう?
写真がやけに露出アンダーだけど、このシチュエーションでEV-1.0でこんな暗いとは思わなかった……。Q-S1はアンダーになりがちなのかな?
北隣にある鳩峯八幡神社。水天宮はここの摂社。
関東の神社にしては古くて、921年に石清水八幡宮から勧請してきたとのこと。1333年には、すぐ南東の八国山に陣取って鎌倉攻めに向かう新田義貞が参拝して戦勝祈願した、とのこと。
鳥居はなかなか立派なやつ。
新田義貞兜掛けの松。
どういうわけか説明板で「新田義真」という謎の誤字があるのだけど、まあ、碑を見てもあの有名な新田義貞だろう。看板発注した人の字がまずくて「インド人を右に!」みたいなことになったんだと思う。
それとこの神社、特に寺が鐘がある。多分神仏習合時代の何かだと思う。
すぐ南隣に仏眼寺というお寺があるから、かつては一緒だったのかも。
きのこの並んだ木を発見。
F1.9のレンズだし、ちょっとボケを出してみた。ま、センサーサイズなりかな。
で、来た方へ戻って、さらに西へ。
そして市民の森というところまで来てみると、何やら小さな山が。
明治に社格制度が始まった時、昔から浅間神社・三島神社・氷川神社・新明神社・松尾神社が祀られていたのに、特に浅間神社だけが村社に指定されて他は無格にされてしまったそう。
神様に差をつけられたみたいで気分がよくないってことで、浅間神社を松尾神社があったここに移し、さらに他の神社を合祀して一箇所にまとめた。
浅間神社は富士山信仰なので富士塚もあったのだが、移した時にせっかくだから大きく作りなおすことにして、明治17年から15年かけて築き上げたのがこの荒幡富士。
人工のものながら、100年以上の歴史がある。
で、登山できる。
つづら折りの登山道(ただし一折に数歩)、途中には何合目だと示す石碑もあるし、山肌には松尾大神や猿田彦神を刻まれた碑が立っていたりもする。
山頂には古そうな祠と、パノラマビュー。
山頂からは、西武ドームが見えていたり。手前のHY’sというのは、後で近くを通るがホテルだった。営業してるかは不明。
他にも、遊園地の観覧車やジェットコースターらしいものも見えていた。
あいにくこの日は曇り空で、富士山などはどうにも見えなかった。
下山して、もうちょっと歩きまわってみるか、せっかくだから多摩湖ってどんなもんかなー、と、丘を越えて南へ。
所沢のねこ。
コンビニでおにぎり買って食ってたら寄ってきた、所沢のすずめ。
あきらかに私のおにぎり見て寄ってきたくせに、私の足元にくると顔をそらして「あ、アンタ(のおにぎり)なんかに興味なんかないんだからねッ!」といわんばかりの態度。
そして偶然にも米粒を落とした瞬間、野生の反応速度で奪い取って飛び去っていった。
で、生まれて初めての多摩湖はというと、水源池だから近づけないようになってて、かろうじてこんな木々の隙間から水面が覗ける程度でしかなかった。
多摩湖の脇は、単車で走ると気持ちよさそうだけど二輪車終日通行止めになっていた車道と、少し離してサイクリングロードがずっと続いている。
ただまあ……徒歩で行くには単調だったな……
西武ドームあたりまで来て、ようやく池らしい姿が見えた。
村山上ダム、というそうだが、上は車道。多摩湖の西から東への流水を制限してるのだろうか。
そろそろ雨も降りそうだから駅へ、とおもいきや、何やら古風な門が見えたので行ってみた。
かつて多摩湖の西にあった、慶性院というお寺の山門だったそう。なぜか寺の山門には珍しい長屋門で、城みたいだ。
戦後には荒れ果ててしまっていて、多摩湖の貯水池愛護会有志がここに移設修復したとのこと。元は1861年に建てられたと、修復時にわかった。
何かお寺があるらしいから最後にお参りしていこうかー、と思ったら、孔雀がいる。
武蔵野七福神のひとつとして、布袋さんをまつってたり。
山口観音・金乗院というお寺さん。
お堂の回廊にはマニ車が108。ネパールで作ったものらしい。
お堂の裏ではびっしり並ぶ水子地蔵。
裏手の大日堂から、階段の手すり?が龍になっているのを登って行く。
登った先には、千体観音堂らしい五重塔があるのだが、今日は開いていない。
なんだこの洞窟は!
ずらりと行者像と仏像が並ぶ洞窟。子供が泣くようなところだけど、仏様への新人があれば逆に安らぎに包まれることでしょう。しらんけど。
最後にずいぶん面白いお寺に出くわし、西武球場前駅から帰路へ。
Q-S1、購入時のカラーモードが「鮮やか」で、ちょっと色がキツすぎる感じがしたから「ナチュラル」で撮ってたけど、雨が降る寸前の曇り空では逆に色みがなくなりすぎて不気味だったかも。ちと失敗。
そのへんは追々好みを追求するとして、電子水準器が搭載されたのは素晴らしい。これはもうセンサーサイズ大型化以上に嬉しい。水平が怪しい私には、断然使い勝手がよくなった。
噂では、Q-S1ももうディスコンではないかとの噂。
実際これから、1/1.7型の、曲がりなりにもレンズ交換式システムに使えるような品質のセンサーを、最早コンパクトデジカメが壊滅状態のこの時代に作ってくれるところがあるかどうかだし、仕方ないかもしれないんだけど。
1型センサーがハイエンドコンパクト市場を席巻したけど、Q発売が2011年夏で、あの時点で1型が流行るとは予想難しいと思うし。
別にレンズメーカーが参入してくれるわけでもなく、超広角ズームまで作って出してくれたからよくやってくれたもんだけど、あとマクロが出ればなぁ。