艦これの遊び方について
先日、知人を艦これにいまさら引きずり込もうという話が出た。
私は13年夏、新規着任停止前に滑り込んだ横鎮提督だもんで、今月で丸3年。それだけ長く続けると、生活習慣の一部に組み込まれてしまっている。
3年の間に、興味を持って始めた友人もあれば、あっという間に止める、半年くらいで止める、まだ続けてるなどなど、色んなパターンを見てきた。
まあ、せっかくやるなら細長く続けてほしいなあとは思うものの、これを続けられるかどうかは、かなり性格に拠るところは大きいと思う。
この記事は、主に私の自分語りを通して、こういう奴なら艦これ3年続けられる、というサンプルを提示するものだ。
これ面白いのかっていう
そもそも論なのだけれども、艦これって、3年やってるベテランでさえ「面白いゲームじゃない」とか平気で言っちゃう代物。私だって、別にゲーム性が高いとはあまり思わない。
多くの要素がランダムで、いい当たり目を引くまで繰り返すだけのゲームだといえばそうだ。
マップがあって進軍していくけれど、ルートの選択は基本的にランダム。ごくごく一部に自分で選べるところがあるだけ。
でも、例えば駆逐艦が2隻入っていればこっちに行くとか、空母が3隻以上いると75%の確率でこっちに行くとか、見た目はランダムだけど実際は条件がある、というようなところも多い。
そんな法則を自力で見つけろというのも無茶な話だけど、それは艦これ用語で言う「緩やかなソーシャル」ゲームなので、口コミで情報を集めてみんなで試行錯誤して結果を共有してね、となる。
早く言えば、攻略サイト見ながらやってね、って話。そうしないと無理。
ごく一部のプレイヤーは、その法則を見つけていくことを楽しみにやってるみたいで、彼らには畏敬の念を禁じ得ないが、私はそこまでやれないなあ。
進軍ルートについてはまだしも法則が見つけ出されるけど、フルオートで進んで特に手出しする余地のない戦闘については、ただただランダム。
各艦がどの敵を攻撃するのかもランダム。攻撃が当たるかどうかもランダム。誰が敵に狙われ、それが当たるか避けるか、かすり傷で済むか一発で沈みかけるか、なにもかもランダム。
事前に有利な艦隊編成をしておく、というのがプレイヤーの仕事なのは確かだけど、そもそも進軍ルートの法則に従わなければ、マップのボスに挑むことすらできないから、それに大きく縛られる。
大和と武蔵と長門と陸奥と赤城と加賀で正面突破、とやれる機会はあんまりない。ただただ愛着をもって那珂ちゃんだけは何が何でも組み込むぞ、と思ってさえ、那珂ちゃんがいるとボスに行かないからクリアできない、なんてマップがありえる。
一重積んでは那珂のため
そのひたすらランダム試行を繰り返すというゲーム性に対抗する最大の手段というのが、こつこつと艦娘を集め、経験値を集め、強力な武装を集め、資源を集めるという、積み重ねにある。
攻撃が当たるか当たらないかのランダムは、単純に艦娘のレベルが高いと有利になっていく。武装が強力でも有利になる。
幅広くレベルの高い艦娘が揃っていれば、進軍ルートで編成を縛られても対応できる。
燃料・弾薬といった資源も、時間で回復するとか、艦隊を資源回収に派遣するとかによって、時間をかけて貯めるのが基本。課金でも買えるのだが、かなり高い。
レベルや艦娘・装備は課金で買えないから、ここはこつこつプレイし続けることでしか満たせない。
よって、せめて3ヶ月くらいはやらないと、そんなに戦力は整わない。季節ごとに開催されるイベント海域などは、まず最初の一回はスルーだろう。二回目から、まあ最低難易度を選べば行ける場合もあるかな。16年春みたいにイベント自体の難易度が高い場合もあるけれど。
このコツコツ積み上げるゲーム性は、速やかに平均的プレイヤーのレベルに達したいとか、他のプレイヤーとの競争意識が強いとか、そういうタイプの人には向かないかもしれない。課金でさえほとんど早回しはできないから、古参がただ有利。
ゲーム内に対戦要素があるわけでもないので、他人は気にしなければいいんだけど、古参プレイヤーが強い艦隊で悠々とやってるのをTwitterとかで見て嫉妬するタイプの人もあるもので、それが多分一番向いてない。
その代わり、MMORPGやガチャゲーによくある性能インフレが少ない。まったくインフレしないわけではないが、ここはこの艦娘しかダメとか、古い艦娘は戦力、というケースは基本的にない。
強い新艦娘追加も時にはあるけど、代わりがいないような艦娘は少ない。大和でさえ、ほとんどのシーンは長門や陸奥で代わりがきく。新艦娘を必死で取らないと以降は圧倒的に不利、というようなことはほとんどない。
また、既存艦娘の改二実装で、強化が行われるのも特徴。このおかげで、現時点での強い弱いではなく、趣味優先で育成することが許される。以前から地味な艦娘に愛着持って育てていた人が歓喜したりしてるのがそれ。
とはいえ、改二によって強くはなっても、「○○改二がいるから他の艦娘が全く無意味」なんてことにもならない。阿武隈は改二によって軽巡で最も有用といわれる性能になったが、別に必ずしも阿武隈でなくてもゲームの攻略は可能。
そんな次第で、コツコツ積みあげるのが大事だし、積み上げたものをぶち壊されたり、インフレで相対価値が下がったりもしづらい。
ぼちぼち適度にでも長く続ければ応えてくれるし、一度やめてからまた出戻りしても過去の積み上げが台無しにならない。
そういう超ゆったり型のゲームと思って臨めばいいかと思う。
艦娘のコレクション
ゲームタイトル通りで、そもそもとしてキャラゲーには違いない。だからキャラに釣られてプレイし始めるというのはまったく正しい。
島風に釣られて、というのはよくあるパターンで、島風が出なくて一ヶ月もせず投げ出した例が身近にひとつあるのだが、さすがに島風程度で一ヶ月という気の短さは、艦これ向きではないかな。
艦娘を入手する手段としては、ひとつは出撃して戦闘に勝って、その報酬としてランダムに手に入る。いわゆるドロップといっている。どこで誰が出るかとか、その場所で戦闘に勝つことの困難さが違うとか、色々あるけれど。
もう一つは、工廠で資源を投じて建造する。これは、投入する資源の量(いわゆるレシピ)によって出る艦娘が違う。
島風は、ドロップで出すのはかなりレアで、私は多分3年やってて3度くらい。とはいえ、建造で効率よく出せるレシピが確立しているので、そこまで苦しくはない。
また、島風に釣られて艦これに興味を持って、やってるうちに他の艦娘に釣り上げられるというのはよくあるパターン。そういうのも縁だろう。
ただまあ、現在のところ入手困難または不能、という艦娘が結構いるので、それはちょっと注意がいる。
イベントで新規実装された艦娘は、イベント後しばらくの間は入手できない。まあ当然の処置ではあるけど、最近その「しばらくの間」がかなり長くなりがち。昔は長くて半年もあれば建造できるようになってたと思うんだけど、今は一年超えている艦娘がある。
もしプレイ前にビビっときてる艦娘がいるなら、それが入手難かどうかは攻略Wikiで調べがつく。
特に入手性に触れられていない艦娘は、そこらじゅうでぽろぽろ手に入るので大丈夫。
香取などの「(通常)建造可能になった」というのも、建造で出せるならレシピを調べて繰り返すだけなので、比較的カンタン。島風とか雪風など、建造可能でドロップ困難なタイプもよくある。
大和などの「大型艦建造で入手可能」という艦娘は、これは結構たいへん。特定のレア艦を、通常建造の10倍くらいの資源を費やして建造できることがある、という大型艦建造に、数%の当たりくじを目指して何度もチャレンジしなくちゃいけない。
秋津洲や大淀などの「ドロップのみ」は、大型艦建造以上にキツい。海域6-3でのみドロップ、なんて、それに挑戦できるようになる準備期間に半年かかるだろうし、挑戦し始めてから出るまでの期間も運次第。
まあ、魂が反応した艦娘が入手難だった場合は、機会がやってきたときに挑戦できるように準備する期間だと思って、コツコツ艦隊を鍛えよう。
キャラについて
艦これのゲーム内で、艦娘について提示される情報は、基本2枚のイラスト(通常時・中大破時)と、30通り程度のボイス。それだけ。
ハロウィンやらクリスマスやら梅雨やら、季節限定グラフィック・ボイスがついたりはする。その程度のものだ。
ゲーム的強弱さえ、「弱い」ということがキャラクターになっているのは秋津洲くらいのもので、「強い」については艦娘のレベルが効いてくることもあって、「大和は強い」でさえあまりイメージ的に勝ってるとはいえない。
よって、世間的な艦娘のイメージは、少なからぬ部分がプレイヤーが勝手に膨らませた妄想と、表現力のあるファンによる二次創作から成り立っている。
私らの世代のときメモやLVNS、エヴァなんかも、原作で与えられたイメージをプレイヤーがふくらませることでブーム化したものだった。そういう意味では、30代後半が昔やってたことに近いものがある。適応しやすい。
それから、史実ネタに引っ掛けてる例は当然多々ある。何しろ日本海軍の艦艇は全滅に近いやられ方だから、ちょっと鬱陶しい話に流れていくことも多い。
まあ、史実ガチ勢みたいな人が大勢力になってるわけでもないので、故人に失礼にならない程度の範囲で気楽に構えればいいと思う。
また、性能インフレしないから、うちの那珂ちゃんが3年前の着任直後、チュートリアルで建造したら出てきたその個体、というくらいユニットとして寿命が長い。ゆえに、特にうちのこの那珂ちゃんが特別な存在になっちゃうので、愛着は強く持ちやすい。こういう執着を持てるタイプのほうが向いていると思う。
過去の艦これ撤退例
私の知ってる範囲で艦これをやめていった友人の例は、
- 島風が一ヶ月経っても出ない
→艦これの長い時間感覚に馴染めなかった例で、体質によるようなことだと思われる。 - 5ヶ月目で挑んだイベントを制覇できなかった
→これはイベントに難易度選択がなかった2014年夏イベントの話で、5ヶ月目だと制覇困難だった。現在はイベントは難易度が選択できるようになり、楽な難易度を選べばクリア可能になっている。 - 飽きた
→仕方ない
といったところで、まあ、多くははっきりした原因なく飽きてやめている感じ。
私だってゲーム自体には飽きているというか、頑張ってプレイしないようにしている。下手に頑張って、ランダムに負けてがっかりしたら、放り出しかねない。よって、3年積み重ねた強力な艦隊を擁しておきながら、イベントはいつも一番楽な難易度で悠々と突破している。
これは、3年分積み重ねた艦隊を放棄するのが惜しいだけじゃないか、といわれると、その通りかもしれない。別にそれが悪いとも思ってない。
とにかく長く続けることが最重要なゲームだと私は思っているので、「面白いに違いない」というような期待は持たない、艦娘を轟沈させない=長い時間をかけて積み上げたものを崩壊させない、がんばらない無理しない、そういったところが大事。
このゲームにログインボーナスはないが、事実上のそれとして、演習とデイリー任務がある。
演習は、他のプレイヤーの艦隊と行うもので、一応勝ち負けは表示されるが、勝っても負けても艦娘の経験値が上がる。受けた被害は終了後即刻修復される。減るのは燃料・弾薬と、空母なら撃墜された艦載機だけ。非常に小さい支出で、大きいリターンが得られる。これが5人のプレイヤー相手に、朝晩2回行える。
別に朝は時間がないならやらなくていいし、夜も逃したところで別に、損したりはしない。毎日連続で何日続ければ大きなご褒美が、なんてものもない。
デイリー任務は、「新規装備開発を1回行え」とか「どこでもいいから1回出撃しろ」といったちょっとした任務があり、こなすと多少の資源などがもらえる。
これもやはり、やってもやらなくてもいい。
演習とデイリー任務は、とりあえず起動してちょっと遊ぶ目安にくらいはなる。別にやらなかったところで大した損はない。連続ログインボーナスみたいに、途切れたら大損だなんて強迫もない。
こんなちょっとしたことでさえ、やらなければいけない、と脅迫的に思わせたりはしないのが、艦これの美徳ではあると思う。
ただまあ、そこまで言ってしまうと、そもそもプレイする必要すらないんじゃないか、という疑問に至ってしまうのだが、さすがに、二次創作だけ見て二次創作をする人よりは、原典にあたって二次創作する人のほうが正しいだろう、ということだけは言い添えておこう。