バジルは引っ越しました

くまみこ最終回

投稿者: 無謀庵 / 2016年6月20日 - 10:48 / カテゴリー: アニメ

また、すごいオチをつけたもんだな、って。

まちがかわいいというのは、あまりにも何も知らなすぎる純朴さ。と、いうことにしたくなる。

でも実態は、携帯電話や炊飯器程度の当たり前のものにさえ、わからなくてわたわたするその様がかわいい。

そんなんちょっと嫌らしいから、純朴さがかわいいということにしている。

だから、かわいさを引き出すためには、そこらへんに転がってる文明の利器を突きつけて反応を見る役が必要なのだけど、それがナツの仕事だった。

ナツは結構正直なもので、まちを都会の学校に行かせたがらない、つまり知恵をつけてかわいくなくなってほしくない、という欲望に素直な態度を取り続けていた。少々保護者然としてるから、無理なことさせて心配したくないと思っているように見せかける程度の軽い迷彩はあったけれど。

でまあ、良夫が持ってくるアイドル話、あんなもん地元のスーパーの売り子すらあんな様だったまちに務まるわけがないというのに、結局ナツは騙すように送り出してしまって。

それで限界超えて、田舎者は石を投げられるなどと被害妄想に陥ったまま帰ってきたまちに、もう都会になど行かないと言わしめることに成功。

地の果てのような田舎にまちを軟禁し、知らないものを見せて困らせて愛で、肉体的にもべたべたいちゃつきながら過ごすというべったりとした共依存ライフをゲットしたわけだから、ナツ一人勝ち。

視聴者的には、ナツは熊だからこれは性欲じゃないという言い訳がついてまたよい。

 

なんかこう、最後の最後で、おまえらの欲望はこれだろうと雑巾に染み込ませて顔に叩きつけてきたような、地獄めいたオチだったなあ。

欲望を欲望そのままに消費するのは公然とは言いづらくなるから、上手くカモフラージュできてる作品ほど巧みだといえるだろうし、くまみこもそうしていたというのに、ラスト数分で全部ぶっとばしてしまって。

たまにこういう悪戯しかけてくる作品はあるものだけれど、くまみこがやってくるとは予想してなかったな。すっかり意表を突かれてしまった。うまいことやりおって。


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