鷺沼城址公園とIXY 210F
宗教上の理由でキヤノンのデジカメはあまり登場しないうちのblogなのだけど、わりと新しいところ、IXY 210Fなんて試写することになった。
明らかにレンズが傾いてしまってるのだけど、特に四隅がケラレたりもしていない。CCDごと傾いているかと思ったが、目に見えて数度傾いていたら写真もそれだけ傾くはずで、そんなこともない。
一応撮影可能ということで、持ちだしてみた。
関西にいるときにゃ天皇陵を巡っていたのだけど、関東は大正・昭和天皇陵しかない。
なので代わりに城跡を巡ることにして、今回は津田沼の鷺沼城址公園へ。
小高い丘にある、というのは城の常で、西側にある菊田遊歩道というのが今は暗渠になった川らしい。実に城っぽい。
今回は遊歩道の南側からアプローチした。
周囲を290mだったかの遊歩道が囲んでいる中に、鷺沼古墳という碑と小屋が立っている。城址公園っていってたのに古墳。
小屋を覗いたら石棺が。
どうも関西人の私には、前方後円墳といったら100m以上あるようなでかいものを想像するのだけど、この鷺沼古墳は、20m級の小型前方後円墳が二基並んでいる。6世紀末のものだとのことで、発掘した時は男性二名分の骨が出たとか。
その頃にはここらに、古墳を作れるような豪族がいたということだろう。
城らしいもんはないのか、と案内板に頼ると、鷺沼源太満義諸武士之碑、というのが建っている。昭和32年建立とあるが。
国府台城跡でも触れられていた国府台合戦に、ここの鷺沼源太も参戦していたとのこと。特に現地で情報もなかったので、詳しくは他所様のサイトで。
鷺沼古墳は前方後円墳ふたつ並んでいるが、北側の古墳は石室も暴かれてしまっていたらしい。代わりなのか、祠が建てられていた。
城址公園を出て、あじさいに止まるトンボ。トンボがやけにたくさん飛び回っていて、一度私の手にまで止まってきた。
まあ、城跡としてはほとんど何も残っていないところだったし、有名な城主でもない。源頼朝が使ったという説はあるものの、どうだか。確かに城を建てるにはいいだろうな、という感じの地形を楽しむ程度か。
関西では、大きな古墳(今では天皇陵と比定されてる)をまるごと城に流用してる高屋城などの例があるけれども、ここはそういうのとはちょっと雰囲気が違う気がする。
丘の上に小さな前方後円墳がふたつ、その上に建物を置くのは違和感があるし、かといってすぐ近くに建ててもそれはそれで、いつも古墳眺めて過ごすような建物になるし。一体どんな城だったんだろうか。
今日のIXY 210Fは、なんかもう値段なりに超オーソドックスに作ったという感じ。
メニューなんかも昔使ったPowerShotと基本的には同じ感じだし、露出補正はメニュー入らず呼び出せるし。ごく真っ当。
オートで写しても、日差しがあると結構彩度高い絵を出してくるけど、今日みたいな曇った日の日陰なんかは、明るいところも暗いところも無難に収まるような露出にしてくる。今日のはひとつも露出補正なんかしていない。
画質については、レンズがどれだけ正常に働いているかわからないので触れない。こんな状態でも、まあ、これが正常な写りでもおかしくはないかな、という程度には写っているけれど。
センサーは裏面照射型CMOSで、レンズは28-112mm F2.8-5.9の4倍ズーム。光学手ブレ補正もあり。レンズは暗いと思うけれど、手ぶれ補正と感度で、曇り空程度じゃブレない。
まあIXYだし、誰が使ってもただシャッターボタンを押すだけでまともに写る、それだけでいいのかもしれない。
外装は、表面処理や塗装が良くて高級感は出してるけど、触るとプラスチッキーで高級ではないのはわかる。まあ見た感じは高級という時点で上手いとは思うけれど。
2011年といえば、FUJIFILM X100とかOLYMPUS XZ-1のような高級路線、COOLPIX P300やCybershot DSC-HX9Vみたいに小型センサーにレンズを頑張ってみる路線、Optio WG-1みたいな防水系など、スマホのカメラに押されて縮んでいくコンパクトデジカメをなんとか咲かせようと苦心していた年。
そんな時代にさえ、このただただ無難に写るだけの、文字通りにコンパクトな、超普通なカメラがリリースしてそれなりに買われるのは、やっぱりキヤノンIXYの強さなのかなあ。Optioなんかだとものすごい勢いでイロモノ化してた頃だ。